CRM/SFA 導入事例Zoho CRM で、数百人規模のリプレイスを1か月で完了。
Zoho Sign 連携により
契約・見積もりの速度と精度もアップ
- 株式会社武蔵野
- 所在地東京都小金井市東町4-33-8
- 創業1964年
- 業種経営コンサルティング
- 社員数約850名(※パート・アルバイト含む)
- ビジネスBtoB、BtoC
ツールリプレイスにおいて「いかに現場に混乱をきたさず、スムーズに移行できるか」は大きなテーマだ。どんなに優れたツールでも、使い始めるまでに必要以上に時間がかかったり、旧ツールとの変化から利用が定着しないのでは、宝の持ち腐れ。とりわけCRM/SFAのような営業、マーケティングの手足となって日々活用されるツールに関しては、“現場に使われて”こそ、その価値を100%発揮する。
今回紹介する、株式会社武蔵野は、かねてより運用していたレガシーツールを一部、Salesforceへと移行したが、使い勝手が現場の社員のニーズとかみ合わず、Zoho CRM へと再リプレイス。わずか1か月という短期間で全社導入することに成功させたばかりか、Zoho Signと連携させることで顧客との発注書・見積書などのやり取りを、精度とスピードの両面でレベルアップさせている。
Zoho CRM の導入を主導した、同社 全社システム本部 次長 小島 俊介氏と、導入パートナーとして技術面をサポートした株式会社デジタル・クリエイティブ・ネット(以下DCN)の草間 千恵氏に話を聞いた。
「現場の社員のニーズを主体に、自分たちの手で自由にカスタマイズができる。Zoho CRM は徹底的にユーザーファーストのCRM/SFAです」
株式会社武蔵野 全社システム本部 次長小島 俊介氏
― はじめに、株式会社武蔵野について教えてください。
小島氏:株式会社武蔵野(以下、武蔵野)は主に中小企業を対象に、経営コンサルティングや社員教育、業務改善などを支援しています。
当社は「仕組みづくり」に主眼を置いた独自の経営ノウハウを提供しており、中小企業の業績改善や社員の成長をサポートする研修などを数多く手掛けています。武蔵野が推進する「業務標準化」や「営業力強化」などの仕組みは高い評価を得ており、多くの企業が導入しています。
また、定期的な勉強会を通して、参加企業のリーダーシップや経営力の向上をサポートすることでもご評価いただいています。
一方、こうしたコンサルティング領域とは別に、清掃用具レンタルのリーディングカンパニー、株式会社ダスキンのフランチャイズ加盟店としても長年事業を展開。本社のある小金井市や三鷹市を中心としたエリアのお客様を対象に、清掃・衛生管理サービスを提供しています。
経営コンサルティングと清掃・衛生管理サービスは一見、関係なさそうに思われるかもしれません。しかし、このダスキンFC事業で培った現場管理や業務標準化の経験が、武蔵野が提供する経営コンサルティングや社員教育の基盤の一つ。ここで得た実践的なノウハウを中小企業向けの研修やコンサルティングにも応用しています。
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Zoho CRM への切り替えで、現場からポジティブな要望が上がってくるように
― 小島様はどのような経緯で、Zoho CRM に携わられたのでしょうか?
小島氏:私自身は、入社1年目にルート営業を担当した後、システム系の部門に異動しました。そこから4年ほどシステム部門で働いた後、GoogleのBI ツールである「Looker Studio」を会員様向けにコンサルティングする部門に1年半ほど在籍しました。
その部門では「Looker Studioを導入しませんか?」と営業を行いつつ、サポートもしつつ…というIT系の案件に従事。そこから、再び現在のシステム部門に戻り、Zoho CRM を担当しています。
こうしたキャリア形成の背景にあるのが、「まずは現場を経験せよ」という当社に受け継がれているポリシーです。ツールを作るにせよ、何か物を作るにせよ、現場を知らないことにはいい仕事はできない、という考え方が通底しているのです。
ですから、私のように、入社していきなりシステム部に配属されるのではなく、まず現場の営業を経験するというキャリアが武蔵野では多いですね。
― 貴社ではかつてSalesforceをお使いになられていたと伺いましたが、どのような経緯でZoho CRM へ乗り換えられたのでしょうか?
小島氏:きっかけは、「Salesforceから他のツールへ変えよう」という当社代表・小山による鶴の一声でした。これを受けて、「では、どのツールにしようか?」となったのですが、現場のメンバーだけでは決めることができず、我々システム担当のところへ相談が来たのです。
そこで、以前からクラウド型の人事管理ツールであるZoho People を使っていたこともあったので、同じZohoのZoho CRM がいいのではないかと推薦しました。
もちろん、Zoho CRM 以外のツールも検討はしたのですが、現場レベルで取捨選択するのは難しかったようです。また、Salesforceの導入を主導したマーケティングの知識が豊富な社員も異動でいなくなってしまったため、なおのことどのツールを選べばいいのかわからなくなってしまった。そこで、我々のもとに相談が来た…という流れです。
― そこからわずか1か月で導入を完了されています。早いですね。
小島氏:短期間で導入できたのは、導入パートナーとして伴走してくださった株式会社デジタル・クリエイティブ・ネット(以下、DCN)の草間さんの尽力が大きいです。
DCN草間氏:とにかくスピード重視でしたね。1か月という短期間で導入できたのも、御社が「2週間、ミーティングをつなぎっぱなし」という荒業を許してくださったおかげです。
― すでにZoho People を使われていたとはいえ、全く新しいツールへの切り替えです。不安はありませんでしたか?
小島氏:先ほど申し上げたように、リプレイスは当社代表の指示だったので、我々はやるしかありません。ですから、不安というよりは「達成しなければならない“課題”」という意識で進めていきました。
もちろん、それを使う現場からすると、ツールを切り替えるということはかなりのストレスになったかと思います。
ただ、Salesforceへの切り替えにしろ、今回のZoho CRM への切り替えにしろ、「全く真新しいものへと刷新する」というよりは、「今あるツールを置き換える」というイメージでした。心がけたのは、若干機能こそ異なりますが、基本的な業務の流れは極力変えないようにしよう、ということ。
そこが変わってしまうと、今までやってきた業務フローそのものが変わってしまい、現場に大きな負荷がかかってしまいます。
ですからコアの部分はなるべく変えずに、できるだけ今動いている形に近づけるよう心掛けました。
― リプレイスに際しては、社内での勉強会も積極的に開かれたそうですね。
小島氏:はい。「できるだけ簡単に説明する」というコンセプトで、勉強会を何度も開いて、社員の理解度を高めることに注力しました。
勉強会の流れとしては、まず「今回なぜZoho CRM へ切り替えるのか?」という経緯を説明し、その後「では、触ってみましょう」と実際に社員に使ってもらいながら操作してもらう。このセッションを少人数×オンラインで何度も繰り返しました。
こうしたインストラクションがスムーズに行えた背景には、武蔵野の企業文化が大きかったと思います。当社は、コンサルティングファームという業務の特性上、勉強会の講師を行う機会が多々あり、その経験が生きた結果です。
― Zoho CRM へ切り替わり、社員の方の反応はいかがでしょう?
小島氏:大きなところでは、機能面について「こうしてほしい」というリクエストがたくさん上がってくるようになりました。
経営コンサルティングという仕事柄、現場のニーズも日々変わりますし、部門の責任者が変われば、考え方も変わります。こうした現場に起こるさまざまな変化を受けて、「ここを直してください」、「この部分を変えてください」といった要望は、随時上がってくるので、我々はそれに合わせてカスタマイズをしています。
以前はオンプレミス型のツールだったので、何かをいじろうとするとその度にシステム開発業者へ発注しなければなりませんでした。当然、開発費がかかりますし、改修するまでの時間もかかり、いろいろなロスが発生していました。
その点、Zoho CRM は外部の業者に発注することなく、我々ですべてを設定できます。このスピード感と敷居の低さが、現場社員からの要望の増加につながっているのだと思います。
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Zoho Sign との連携で、書類作成時における事務担当者の手間も大幅にカット
― 御社ではZoho CRM と併せて、Zoho Sign もお使いいただいています。
小島氏:はい。以前はCloudSign(クラウドサイン)を使って契約書を締結していましたが、これをZoho Sign へと置換。Zoho CRM と連携して、契約者情報がきれいに取引先と紐づけられるようになりました。
一方、見積書兼発注書は、社内向けではなく、直接お客様に「この内容でいいですか?良ければサインしてもらえれば、注文書として受け取りますよ」というものです。
クラウドサインで行っていた頃は、そもそも取引先の情報をエクセルなどで書き起こして使っていましたから、表記の統一さえ図れていませんでしたね。それにより何度も書類を作り直すことになり、結果としてお客様にご迷惑をおかけしたことも多々ありました。
現在は、Zoho CRM から差し込み文章を使って、そこからZoho Sign へ送る…という流れで活用しています。「お客様名が正しい状態で入っている」という点が、事務担当者から大変好評です。やっぱり手入力で作成するとどうしても氏名が間違ってしまうばかりか、データも重複してしまうので、そこが統一できたのは大きな成果です。
DCN草間氏:クラウドサインで契約書を作成する際は、ワードファイルなどで契約書の雛形をアップロードし、別途エクセルで個別のお客様情報を記入したCSVファイルを作成。さらに、そのCSVファイルをクラウドサインにアップし、契約書の雛形のお客様名などを置き換えて送付しなければならず、CSVでの作業がマストでした。
この部分も、今回のZoho CRM とZoho Sign との連携によって大幅に業務効率化が図れました。
Zoho CRM があればすでに顧客情報と紐づいているので、作業自体がワンクリックで終えられる。かつて行っていたエクセルを何バージョンも更新する…という非生産的な作業から解放されたと伺っております。
― 実際のZoho CRM の活用面を伺います。御社ではテリトリー管理をされているとのことですが?
DCN草間氏:現在、武蔵野様でやられているテリトリーの設定は下図のようになっています。事業ドメインごとにテリトリーを設定し、情報の共有を整合性の取れた形で管理しています。これは2022年に、小島様が設定されました。
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小島氏:現状はあくまでも事業部ごとに分けた形で、それほど細かく分類はしていません。「経営サポート」、「リフレ」、「ダスキン」という当社の主たる事業ドメインで大きく分割し、「経営サポート」をさらに「総合コンサルティング」と「ミライクリエーション」という下位カテゴリで分割、また「ダスキン」の下に「トータルプロモーション」という括りを設けています。
当社は「経営サポート」と「ダスキン」というまったく異なる事業を展開し、それぞれで取り扱う顧客データも全く異なります。
たとえば経営サポート側の社員が、BtoCがメインであるダスキンのデータを参照することはまずありません。ですから、最初にこうして分割することにしました。したがって、画面レイアウトも「経営サポート」と「ダスキン」では、異なるものに設定しています。
DCN草間氏:現在、武蔵野様では約350名の方がZoho CRM を活用されていますが、どのデータを活用するかについては、一人ひとりの営業担当者によって異なります。自分の業務とは関係性の低いデータにアクセスできる状態だと混乱を招く恐れがあり、「自分が担当するデータだけを見られるようにしましょう」という意図でこのようにテリトリー管理を行っています。必要な情報だけにアクセスできる方が、営業担当者にとっても何かと楽ですからね。
小島氏:経営サポートの方は、登録している顧客レコードが約800社です。これに対して、ダスキンやクリーンリフレはBtoCのお客様も含まれるため、顧客レコードは数万件に上ります。もし、経営サポート側の社員が、テリトリー管理していない状態でデータを参照しようとすると、その何万件のデータの中から探さなければなりません。テリトリー管理を行うメリットとしては、こうした情報探索コストの削減という面が大きいです。
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BIツールも活用して、大規模ユーザーならではのスケールメリットを生かしたい
― 今後Zoho CRM を使ってどんなことを実現したいとお考えですか?
小島氏:目下、がんばって進めようとしているのは、「売上予測」です。
ここはまだ手がつけられていない部分ですが、たとえば会議で数字を出すにしても、中には自分の都合のいいように数字を変えてしまう人もいるんです。ですから、そうした属人的な情報操作をシャットアウトするためにも、「営業成績ならZoho CRM のここを見れば全て分かります」という状態まで早く持っていかなければと思っています。
ゆくゆくはZoho Analytics などのBIツールを活用して、高度な売上予測まで行えるようにしたいと考えています。
DCN草間氏:売上予測については、一年前にご案内させていただいた際はまだ商談データなどをうまく入れられない…とペンディングになっていました。
武蔵野様は大規模ユーザーですから、売上予測が実装できればその恩恵は計り知れません。商談データがうまく入れられるようになった今、取り組みたい課題の一つです。Zoho の人工知能「Zia」が、近い将来大幅にバージョンアップすると聞いているので、この部分は大いに期待したいところですね。
― 最後に、Zoho CRM の導入を検討している方に向けて、メッセージをお願いします。
小島氏:Zoho CRM をはじめZoho ツールは特段ITリテラシーが高くなくても、ノーコードでいろいろな設定が行えます。実際、当社においても我々システム部を介さずとも、現場レベルで自分たちの使いやすいようにアレンジして活用しています。それに加えてZoho ツールを導入する際には、今回我々をサポートしてくださった株式会社デジタル・クリエイティブ・ネット様をはじめとする頼もしい導入パートナーのサポートが受けられる。ここも大きな魅力だと思います。
DCN草間氏:クラウドツールに対して抵抗感のある企業様は少なくありません。ただ、そういった多くの企業も、実際にZoho CRM を導入してみるとその利便性とコストパフォーマンスに驚かれます。クラウドなので、どこにいても、スマホやタブレットからアクセスができ、かつ圧倒的安価にそれらを利用できる。特にコスト面での優位性は、ぜひいろいろな企業様に体感してほしいですね。
株式会社武蔵野
- 所在地:東京都小金井市東町4-33-8
- 業種:経営コンサルティング
- 社員数:約850名(※パート・アルバイト含む)
- ビジネス:BtoB、BtoC
- 事業内容:中小企業を対象とした経営サポート
人材採用コンサルティング
環境衛生事業 - 設立:1964年
- URL :https://www.musashino.co.jp/
導入支援パートナーについて
株式会社デジタル・クリエイティブ・ネット
我々のミッションはただ一つ。お客様個々の業務内容を分析し、その問題点を発見し解決することです。 その手段として、現状多くのお客様への最適解としてZoho CRMをはじめとしたZoho製品群の導入を提案しています。
- 所在地:東京都中央区月島1-14-7
- 設立:1999年1月29日
- 業種: 撮影・レンタルスタジオ
- 社員数:4名
- ビジネス: BtoB,BtoC
- 事業内容: レンタルスタジオ、ITアドバイザリーサービス等
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