電子証拠開示と保管の設定
メールをビジネスのメインコミュニケーション手段として使用する組織は、偶発的なデータ損失や規制遵守法に注意する必要があります。Zoho Mailの電子証拠開示ポータルを使用すると、管理者はメールを保管し、いつでも復元することができます。
電子証拠開示を有効にする手順
電子証拠開示を設定するには、以下の手順に従ってください。
- https://ediscovery.zoho.comに管理アカウントでログインします。
- あるいは、Zoho Mail管理画面にログインして、画面左側の[電子証拠開示]を選択します。電子証拠開示ポータルの画面には、メール保管と電子証拠開示に関するかんたんな紹介が表示されます。
- Mail、Cliq、WorkDriveの電子証拠開示を有効にして、[次へ]をクリックします。組織で電子証拠開示が有効になったことを確認するメッセージが表示されます。
メモ:
CliqおよびWorkDriveの電子証拠開示機能は、Zoho Workplaceプランでのみ利用可能です。詳細は、support@zohomail.comにお問い合わせください。
保管期間の設定
ほぼすべての政府規制において、「記録」を収集、管理、保管し、要請に応じて提供することが義務付けられています。「記録」には、ハードコピー内容、メール、ボイスメール、インスタントメッセージ、SNSが含まれます。
組織の保管ポリシーを確立し、管理、維持するための検討事項は、ビジネスニーズ、法務要件、組織の文化、保管ポリシーへの取り組み、訴訟への対応、自動化、導入とこれまでと変わりません。
標準の保管ポリシー
- 電子証拠開示の有効後、次の手順で[標準の保管期間]を選択します。標準の保管ポリシーで、ユーザーのデータを保管する期間を設定します。
- 組織の要件に基づいて、Mail、Cliq、WorkDriveの保管期間を選択します。特定の日数を設定するか、[永久に保管する]を選択することができます。
- [次へ]をクリックします。
メモ:
- CliqおよびWorkDriveの電子証拠開示機能は、Zoho Workplaceプランでのみ利用可能です。詳細は、support@zohomail.comにお問い合わせください。
- 標準の保管ポリシーは、特定のユーザーの特定のデータ、または、特定の種類のデータを特定のニーズに合わせて異なる保管期間で保存することが可能なカスタム保管ポリシーで上書きすることが可能です。詳細については、保管ポリシーのカスタマイズをご参照ください。
保管ルールの設定
保管ルールは、電子証拠開示サービスにアーカイブを許可するためのメールのフィルターとして機能します。送信済みメールまたは受信済みメールなど、電子証拠開示ポータルに保管したいメールの種類を選択したり、送信済み/受信済みメールの中から特定のメールなどを保管したりすることができます。
ユーザーのストレージ容量が不要なメールでいっぱいにならないよう、必要なメールが保管されるような保管ルールを設定します。このルールは[電子証拠開示フィルタ]として保存され、組織全体に適用されます。管理者は、組織のニーズに基づいて、特定のユーザー用のカスタムメールフィルターを作成できます。
標準の保管ルール
- 保管期間の設定後、続けて[標準の保管ルール]を設定できます。
- 利用可能な詳細オプションから選択して、電子証拠開示ポータルの取り込みルールを設定します。
- [次へ]ボタンをクリックします。
- すべてのメールを保管する
- 以下の条件に基づいて保管する
- すべての送信済みメールを保管する:組織外で送信されたメールを保管する
- 送信済みメールを保管する:組織内で送信されたメールを保管する
- あるいは、選択したドメインを設定して、それらのドメインへ送信されたメールのみ保管するように選択する
- すべての受信メールを保管する
- すべての受信メールを保管する:外部組織アカウントから受信したメールも保管する
- 受信メールを保管する:組織内で受信したメールのみ保管する
- あるいは、選択したドメインを設定して、それらのドメインへ送信されたメールのみ保管するように選択する
- すべての削除/迷惑メールを保管する
メモ:
割り当てられたユーザーストレージは、ユーザーの受信トレイ+電子証拠開示+バックアップによって使用されます。そのため、組織のニーズに応じて、保管する内容と期間を調整することをお勧めします。
ユーザーのアカウントの選択
保管期間や保管ルールの設定後は、メールの保管を開始するユーザーを選択します。
電子証拠開示のユーザーアカウントを有効する手順
- 特定のユーザーを選択して保管を有効にするには、検索バーにユーザー名を入力します。
- あるいは、ヘッダーのチェックボックスにチェックを入れて、[すべてのユーザーを選択する]をクリックします。
- [保管]ドロップダウンをクリックします。
- [保管を有効にする]を選択して、[完了する]をクリックします。
保管を有効にすると、保管ルールに基づいて、そのメールアカウントに送信済みのメールが電子証拠開示ポータルに保管されます。保管期間は、アカウントに適用された標準の保管ルールに基づきます。電子証拠開示ポータルに同期するのは時間がかかります。同期後は、ポータルから保管したメールを検索、表示、エクスポートすることができます。
保管ポリシーのカスタマイズ
組織の要件に基づいて、メールとチャットの会話には異なる保管ポリシーを設定できます。管理者は[保管]タブをクリックすると、設定した初期設定の保管ポリシーとカスタム管ポリシーの一覧を表示することができます。Zoho Workplaceプランをご利用の組織は、MailとCliqデータに異なる保管ポリシーを設定できます。詳細については、以下の各セクションをご参照ください。
メールのカスタム保管ポリシー
以下の初期設定の保管ポリシーに加えて、新しく独自の保管ポリシーを作成することができます。保管責任者や特定の条件に基づく基準により、特定のメールを異なる期間の保管が必要となるような特別な要件やカスタム要件がある場合、管理者はカスタム保管ポリシーを設定することができます。独自の保管ポリシーは、さまざまな条件に基づいて設定できます。
メモ:
設定された保管期間を超えたメールは、10日ごとに自動で消去されます。
新しいカスタムポリシーを設定するには、以下の手順に従ってください。
- Zoho Mail管理画面にログインして、画面左側の[電子証拠開示]を選択します。
- [保管]の[メール]タブに移動します。
- [カスタム保管ポリシーを作成する]ボタンをクリックして、カスタムポリシーの[名前]を入力します。
- 受信トレイの種類を選択します。
- すべてのアカウント:すべてのユーザーアカウントと共有メールアカウントが含まれます。
- 特定のユーザーアカウント:管理者は、[ユーザーの受信トレイ]欄でユーザーの受信トレイを選択できます。
- 特定の共有メールの受信トレイ:管理者は、[共有メール受信トレイ]欄での共有メールの受信トレイを選択できます。
- ドロップダウンをクリックして、設定済みの保管期間または、[カスタム範囲]を選択します。
- カスタム範囲を選択した場合、開始日と終了日を選択します。
- [条件文]では、入力した詳細なオプションからメール保管のカスタムポリシーを設定する条件を入力します。
- 次の値を含む:メール全体で本文/メールアドレスを含む
- 件名:件名に選択した用語を含む
- 内容:メールの内容が次を含む
- 送信元メールアドレス:送信元メールアドレスが次を含む
- 宛先メールアドレス:宛先メールアドレスが次を含む
- CC:CCのメールアドレスが次を含む
- BCC:BCCのメールアドレスが次を含む
- 返信先:返信先メールアドレスが次を含む
- 添付ファイルあり:添付ファイルがあるメールのみ
- 添付名:添付内容が次を含む
- 添付内容:添付内容が次を含む
- 送信メールのみ:送信メールのみを含む
- [迷惑メール]として分類したメールを保管するかどうか選択します。
- 入力した条件文に一致する受信トレイから削除したメールのみを保管するには、[削除されたメールのみ]を選択します。
- [永久に保管する]を選択するか、条件に一致するメールを保管する日数を入力します。
- 入力した条件が期待どおりの結果を表示するかどうかを確認するには、[結果のプレビュー]をクリックします。
- カスタム保管ポリシーを保存するには、[保管ポリシーを保存する]をクリックします。
目的別に複数の保管ポリシーを作成して保存することができます。ほとんどの場合、各カスタム保管ポリシーは、保管期間と保管に必要な条件に基づいて異なります。
メモ:
メールが複数のカスタム保管ポリシーに一致する場合、メールは常に保管期間が最も長い保管ポリシーの要件に従って保管されます。記録保全中のメールは、記録保全が解除されるまで、保管されます。
Cliq独自の保管ポリシー
組織の要件に応じて、特定のCliqメッセージを異なる期間保管する必要が発生する場合があります。Cliq内のメッセージの独自の保管ポリシーはさまざまな条件に基づいて設定することができます。独自のポリシーを満たすメッセージについては、独自の保管ポリシーが標準の保管ポリシーより優先されます。
メモ:
保管期間を過ぎた削除済みメッセージは、週に1回、自動的で消去されます。
新しい独自ポリシーを設定するには、以下の手順に従ってください。
- Zoho Mail管理画面にログインして、画面左側の[電子証拠開示]を選択します。
- [保管]の[Cliq]タブに移動します。
- [独自の保管ポリシーを作成する]ボタンをクリックして、独自ポリシーの[名前]を入力します。
- 条件文を選択します。
- ファイル名
- ファイルの種類
- リンク
- 内容
- 独自のポリシーに応じて、保管する[チャットの種類]を選択します。
- 個別メッセージ:組織内の個人チャットメッセージです。
- グループチャット:組織内のグループチャットを抽出します。
- 非公開チャンネル:個人チャンネルに共有したメッセージを検索します。
- 組織チャンネル:組織で使用するチャンネルの会話が保存されます。
- 外部チャンネル:組織の外部メンバーを含むチャンネルの会話です。
- チームチャンネル: チームチャンネル内の会話が保存されます。
- チャットスレッド :すべての会話のインラインチャットスレッドを抽出します。
- ボット:ボットが開始したチャットメッセージのみを抽出します。
- エンティティチャット:その他のZohoアプリが開始したチャットメッセージを含みます。
- 必要に応じて[ファイルとメッセージのみ]と[リンクとメッセージのみ]のチェックボックスにチェックを入れます。
- 保管期間を入力します。または、[期限なく保管する]を選択します。
- [結果のプレビュー]または[保存する]をクリックします。
フィルター条件に一致するチャットメッセージは、カスタム保管期間に応じて保管されます。
電子証拠開示のカスタムメールフィルター
組織がデータを保管する必要があるかどうかは、各組織やビジネスニーズによって異なります。コンプライアンスを理由に組織全体のすべてのメールを保存する必要がある組織もあれば、組織外に送信された特定の受信トレイや特定のクライアントがやりとりしたメールのみを保存する組織もあります。
管理者は、組織がメールを保管する目的を把握し、電子証拠開示で保管する対象を決定できます。何を保存/保管するかを管理するため、電子証拠開示の[メールフィルター]を作成することができます。以下の方法で作成します。
- 電子証拠開示を有効にすると、メールのサブセットだけを保管するフィルター条件を選択できます。このフィルター([電子証拠開示フィルター])は標準のメールのフィルターで、すべてのユーザーに適用されます。
- グループの受信トレイや特定の部門からのメールといった特定の受信トレイに特定のフィルターをより詳細に設定するには、カスタムメールフィルターを作成します。
電子証拠開示メールフィルター(独自のメールフィルター)の追加手順
- [保管ポリシー]の[メールフィルター]に移動します。
- [フィルターを追加する]をクリックして、[フィルター名]を入力します。
- [すべてのメール]または、[以下の条件のメール]を選択します。
- [すべてのメール]を選択した場合、ユーザーを指定して、[保存]をクリックします。
- [以下の条件のメール]を選択した場合、すべての条件を設定します。
- すべての送信済みメール(組織内でのみ送信したメールまたは組織外に送信したメール)
- すべての受信済みメール(組織内で受信したメールまたは組織外で受信したメール)
- すべての送信済みメールとすべての受信メール種類のカテゴリーで、特定のドメインを指定します。
- 削除済みのメール
- 迷惑メールを除く
- カスタムフィルターを適用する必要のあるユーザーの受信トレイを追加します。
- フィルターを適用する共有メールアドレスを追加して、[保存する]をクリックします。
- メール受信トレイを追加または削除するには、[関連付けられているユーザー]、または、[関連付けられている共有メールの受信トレイ]タブに移動します。
フィルターを保存すると、新しいカスタムフィルターが一覧に表示されます。フィルター名にクリックすると、フィルターの詳細を表示したり、必要に応じて権限を編集したりできます。